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眼の検査

眼の検査を受けていますか?

50歳以上の皆さま、眼科で眼圧検査や眼底検査、視野検査は定期的に受けられていますか?
人間ドックには入っていても職場の健康診断や、自治体の検診項目にこれらの目の検査はおそらく入っていないのではと思います。

何を隠そう私自身が緑内障で7〜8年位治療を続けておりまして、検査受診の大切さを皆さまにお伝えしていきたいと思います。

自覚症状がほぼない緑内障に要注意

現在の私の状況はというと、近視なので眼鏡をかけていて両眼とも見えております。どちらかというと老眼の方が深刻。私の緑内障が分かった時に医師から「今のうちから治療を継続していけば目が見えなくなるより寿命が先に来るくらい」と聞きました。

緑内障は眼球内の圧力が高くなり視神経に障害が起きて視野(見える部分)が欠けてくる病気です。見えない部分が最初はほんの一部分であるのが治療をせずに放っておくと、次々に視神経の障害が進み視野が欠ける範囲が拡がってきます(下図参照)。障害が起きた視神経は再生しないため欠けた視野は元に戻りません。日本人の失明原因の第1位は緑内障で、緑内障は40代以上の20人に一人が該当するといわれています。

緑内障の見え方

緑内障が分かった時は自分自身全く自覚症状がありませんでした。コンタクトレンズ使用のため眼科受診をした際に、眼圧を測ったら正常値。しかしそこで医師から40代半ばだからと眼底検査を勧められ、眼底検査で緑内障特有の兆候があるからと視野検査も受けて判明しました。

人間ドックで目の検査というと、視力と眼圧検査だけという検査機関があります。眼圧検査の数値が基準値内なのに緑内障である「正常眼圧緑内障」の人も多く、私もそうでした。ですから、年齢を重ねてきた皆さまには眼圧検査とともに、眼底検査と視野検査もぜひ受けていただきたいのです。

緑内障の主な検査

眼圧検査・・・目に空気を吹き付ける方法で眼圧を調べます。検査前に点眼麻酔するさらに精度の高い眼圧計もあります。

眼底検査・・・点眼薬で散瞳し、倒像鏡で医師が血管や視神経の状態をチェックします。

視野検査・・・1点に視点を定め、上下左右の視野を調べる検査です。

目は見えない部分があるともう片方の目でカバーしてくれます。脳も見えない部分を補完してくれる働きがあります。だから緑内障になっても「見えない」という自覚症状が初期はほとんどありません。しかし欠けてしまった視野は治療を開始しても復活しません。治療はこれ以上の視野の欠けを拡げない、あるいは進行を緩やかにするための治療です。ですからできるだけ初期のうちに、眼圧・眼底・視野検査で見つけて、早めに治療を開始することが重要です。

治療は主治医の方針とその方の症状にもよると思いますが、毎日点眼薬をつけるだけです。私の場合は最初は就寝前の1回だけでしたが、今は朝夕1回ずつと就寝前の1回となっています。点眼薬がなくなる前に受診し眼圧検査をして問題がなければ同じ点眼薬を継続、そして数ヶ月に1回ずつ眼底検査と視野検査を受けて進行度をチェックしています。

眼球を満たしている房水の排出が眼圧上昇に関係しているため、患者さんの症状と主治医の判断によっては房水の排出をよくするための手術をすることもあります。

緑内障の治療を続けてきていいこともあります。
緑内障の点眼薬にはまつ毛を伸ばす効果があるので、かなりまつ毛が長くなりました! 医療機関で買えるまつ毛美容液は緑内障治療薬の成分が入っているものが多いのですよ。
(色素沈着の副作用もあるのであふれた目薬はふき取るようにしています)

大人が注意したいそのほかの目の病気

年齢を重ねてきたら注意したい眼の病気はほかにもあります。代表的なものを紹介しましょう。

眼

白内障 年齢とともにカメラレンズのような働きをする水晶体が白く濁ってくる病気です。ぼやける、明るいところがまぶしい、物が二重に見えるといった症状があります。濁った水晶体の代わりになる眼内レンズを入れる手術が一般的です。
加齢黄斑変性症 見た物体を鮮明に感じ取る部分である網膜内の「黄斑」が加齢とともに障害される病気です。周囲は見えるが視野の中心が見えにくくなるのが特徴です。女性よりも男性の発症率が高いといわれています。加齢、喫煙、肥満、高血圧、遺伝と発症が関係していると考えられています。
糖尿病網膜症 糖尿病のため網膜への血管が詰まり、網膜の酸素や栄養が不足して最悪失明することもある症状です。糖尿病になってからすぐではなく数年後に発症することが多いため、糖尿病のコントロールとともに眼科を受診しましょう。

 

以上のように年齢を重ねてきたら注意したい眼の病気がありますので、50歳以上の皆さまは眼の検査を積極的に受けることをお勧めします。

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