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香港

2019年4月から

2019年から2020年にかけて当地で起きた出来事は、近い将来歴史の教科書に載るに違いない。
日本でも盛んに報道されていたが、20196月に始まった逃亡犯条例改正案反対にまつわる一連のデモ。
616(日曜日)、主催者発表200万人が参加した大規模デモの渦中、私は日本から渡港した知人と会うため香港島の銅羅灣(コーズウェイベイ)へ出かけてその場に遭遇。これほどまでに人が集まる光景を見たのは、決して大げさではなく、生まれて初めての経験だった。

その日を境に、毎週末に必ずどこかでデモ隊と警察が対峙した。週末が近づいてくると、在香港日本領事館から注意喚起のために週末のデモ情報がメールで届くので、それらの場所には近づかないようにしていたのが記憶に新しい。

このような状況の中、香港を離れようと考える香港人が増えたのも事実。
日本では、移民はそれほど身近なものではないが、多彩な国籍や人種が混在する国際都市で暮らす香港人にとって、移民は特別なものではないような気がする。実際、香港中文大学の調査によると、2019年の香港から台湾への移民申請は5,858人で、対前年に比べて41%増加したそうだ。

2020年7月1日

2020年、新型コロナの影響もあり、デモはいったん終息を迎えつつあったが、日本でも大きなニュースとして取り上げられたように71日、香港版国家安全法が施行された。この日は、香港がイギリスから返還された祝日であったが、それに反対する大規模なデモが発生。300名以上が逮捕され、そのうち10名が同法違反の疑いにより逮捕された。その一方、これは日本で報道されていないと思うが、賛成派の一部の人々はヴィクトリア湾で何隻かの船を連ね、施行を祝う海上パレードを行っていたのが印象的だった。

72日の平日、私の周りにはいつもと変わらぬ香港の日常が広がっていた。まるで何事もなかったように。

香港はこれからどこに向かっていくのだろうか。

 

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