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リバースモゲージ

シニア世代が考えたい老後の生活費

人生100歳時代と呼ばれるようになってきた今日この頃、50代60代になってくると老後の 資金が気になり始めますよね。 貯蓄がどれだけあるのか。持ち家か借家にもよりますし、国民年金なのか厚生年金もあるのか、 iDeCo(個人型確定拠出年金)を契約していたか、など人それぞれ違うと思います。定年後は一人当たり 2 千万円必要だと報道されたり、3 千万円はあった方が良いと言うジャーナリストもいます。
そんな中で、CMもされている生活費の捻出の方法を 2 つご紹介したいと思います。利用する場合にはデメリットやリスクがありますので、十分に検討していただいた上でご利用ください。 今回の方法は持ち家を所有していることが条件です。この持ち家にある行動を起こすことで生活費の捻出が出来ます。

リースバック

早速ですが、、一つ目は、「リースバック」です。まずはこちらからご紹介いたします。
こちらは一軒家でもマンションでも利用することが出来ます。 スキームとしては以下のような流れになります。(仮の金額を設定しています。)
1.所有している不動産を 2,000 万円で売却する。
2.売却代金 2,000 万円を受け取る。
3.売却した不動産をそのまま賃借(リース)する。
4.毎月の賃借料 5 万円を支払う。 上記により不動産の所有権は売却するものの、居住権は賃貸契約(リース)によりバックすることから、「リースバック」と呼ばれる手法になります。
メリットは、売却代金が入りますので、すぐに生活費に充てることが出来ます。また、売却 したことにより所有者で無くなるので、固定資産税の支払いが無くなります。 その他には引っ越しもしないので、引っ越し費用もかかりませんし、「リースバ ック」したことがご近所に解ることはありませんので、普段通りの生活のまま資金の調達をすることが可能です。 また、しばらくして資金に余裕が出来た場合は売却した不動産を改めて買いなおすことも出来る場合があります。 他にも相続対策として不動産の親族トラブルを回避したり、条件により税制の優遇を受けたりすることも可能です。住宅ローンが残っている場合には売却代金で返済することが 可能です。 他に同居家族はそのまま家に住み、本人夫婦が介護施設に入りたい場合には、売却代金を入居費用に充てることも可能となります。
デメリットは、持ち家ではなくなりますので、賃借料の支払いを続ける必要があります。また、賃借料の折り合いが付くのかを最初に確認しておく必要があります。
リスクとしては、あと何年その居所にいるのか?いつかは別の場所に引っ越す予定なども事前に検 討しておく必要があります。また地価の高騰などの場合、賃借料が変更となる可能性もあり ます。

リバースモゲージ

二つ目は、「リバースモゲージ」です。銀行のCMなどで、ご覧になっられた方もいらっしゃると思います。 簡単にお話をすると、不動産担保融資になります。 但し、通常の不動産担保融資とは違い下記のようなスキームとなります。
1.住宅の担保価値を評価
2.おおむね担保価値の 50~70%程度の極度額を設定
3.極度額の範囲で毎月利用可能額を設定し、繰り返し借入ができるようになる
4.金利は住宅ローンなどよりも高い 3%程度の変動金利
5.返済は元利金合わせて期限一括返済または借入人の死亡時の一括返済
6.相続人の同意が必要
メリットは、返済時に不動産を売却し返済に充てる(若しくは別途現金返済)契約となるため、毎月の支払いは利息のみで元本の返済はありません。負担は少なく感じられます。 また、自分の所有権を無くすことなく、融資を受けることが可能です。 解約時に不動産を売却し返済に充てるため、収入要件(年金収入等)が通常より 緩く設定されることが多いようです。 加えて、子供たちがその不動産に将来に住むことが無い場合、その不動産の処分や相続問題 が回避できるところもあります。
デメリットとして、借入者の死亡の際に不動産の売却が必要となる為、相続人になりえる方 全員の同意書(売却処分すること)が必要になります。 また、担保の評価の条件として、建物は減価償却していきますので、担保評価としてみることが少なく、マンションなどの場合土地の持ち分割合は低いため利用できない可能性があります。一軒家の場合でも地方の場合や交通の便が悪い場合は、土地の担保評価が低く利用 できない場合があります。
リスクとして、融資を受けている途中に担保評価が下がった場合、融資限度額の引き下げが 行われる場合があります。融資額より限度額が下がった場合は差額分の一括返済が求められることとなります。 契約者が死亡の際に配偶者が同居していた場合、契約を引き継ぐことが出来る契約と出来ない契約がありますので、ここも大きな注意事項となります。 また、一番のリスクは死亡の際に売却返済となった場合に、売却が出来ない場合において、 相続人に融資額の返済を求められることとなる場合があることや、売却できたものの返済 額に足りない場合には、相続人に差額請求される場合もあることです。(請求されない契約 「ノンリコース型」というのもありますので、契約時にはじっくり確認することが必要です。
要約すると、「リースバック」は、契約時に売却し資金を得て、賃貸契約に切り替える方法。
「リバースモゲージ」は、将来に不動産を売却することを前提にその代金を事前に融資という形で資金にする方法となります。
どちらの方法も不動産を処分(売却)する方法になります。つまり不動産を相続したい場合には使えない方法となりますのでご注意ください。

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