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香港ビーチ

香港でビーチリゾート、といってもピンとくる人は少数派。

ハワイやバリ島ならいざ知らず、高さを競うように建てられた高層ビルが林立する都会的なその光景から、ビーチリゾートという言葉は結びつかない。けれども、大陸と地続きとなっている九龍(カオルーン)サイドと香港島から成る香港の地図を見てみると、周りをぐるっと海が囲んでいるのが分かる。当然、そこにはビーチがあるのだ。

なかでも地元の人はもちろん、香港に駐在する外国人の間で人気なのが、香港島の南にある淺水灣(レパルスベイ)。ビーチに隣接して道教の寺院、天后廟(ティンハウミュウ)があることから、お参りに来る観光客の姿も見かける。

ただ、私が香港に住み始めた10年ほど前は、いまほど人気があったわけではなく、夏の週末の天気の良い日でも、周りを気にせずビールを片手にゆっくり寛ぐことかできた。それを一変させたのが、ビーチ沿いの商業施設「the pulse」の出現だ。レストランとショップが入る比較的小さな商業施設なのだが、2014年にビーチ沿いにオープンすると淺水灣が沸騰、一気に超人気のビーチへと変貌を遂げた。

ビーチに目を向けてみよう。そこで聞こえてくる言語は英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、そしてポルトガル語。まさに多国籍であり、その雰囲気と美しい景観を含めて、ここは国際的なビーチリゾートと呼んでも遜色はない、と思うのである。

短い旅程では、来港してもなかなか淺水灣への訪問は難しいかもしれない。けれども、香港を違った視点から楽しみたい向きには、絶対に足を運んでもらいたい。香港島の中心、中環(セントラル)からバスでアクセスできるが、座席は絶対に進行方向の右側がおすすめ。そのほうが、窓越しに雄大な香港の海が望めるからだ。国際色あふれるビーチでリゾート気分に浸る。香港の新しい過ごし方の提案である。

20201013日現在、外国人の香港への入境はできません。また、レパルスベイを始めとするビーチは立ち入り禁止となっています。

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