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感染予防

ポピドンヨードについて

いま、あちこちの薬局でポピドンヨード入りのうがい薬が品切れになっています。

8月6日にオンラインで開催された日本抗加齢医学会のメディアセミナーで、大阪大学大学院歯科研究科教授の阪井丘芳先生がポピドンヨードと新型コロナウイルスについて以下のように述べられていました。

  • うがい液でうがいをすると、唾液PCRによる新型コロナウイルスの陽性率が下がったのは、うがい液で一時的にウイルス検出限界以下に減ったことも考えられる
  • 唾液PCR検査をする前にヨード系うがい薬でのうがいはしないように。本来陽性なのに陰性の結果が出てしまうことがある。
  • 一次的に唾液中のウイルスを減少させる効果はあるので、会話・会食前および最中のうがいは人にうつす可能性を減らすかもしれない。飲食店やクリニック等勤務の方はうがい液を使用してもいいかもしれない。
  • 効果の持続時間など検討すべきことが多数ある。
  • ヨードアレルギーの方は使用しないように。
  • 洗面台の着色がとれにくくなる可能性がある。また吐き出した液にウイルスが含まれている場合、洗面台周囲のウイルス汚染も検討しなくてはならない。

 

国立成育医療センターの堀向健太先生はWEBページで次の懸念点を紹介されています。

ポピドンヨードは強力な殺菌性ゆえに、のどや口の中にもともといる『正常な細菌』をも叩いてしまい、さらに粘膜なども痛めてしまう。

ポピドンヨードのうがい薬の安全性は高いと考えられていますが、長期使用に関しては甲状腺機能を障害する可能性が指摘されています。

ポピドンヨードは口腔内のウイルスを一時的に減らす効果はありますが、体内からウイルスが無くなっているわけではありません。ウイルスに感染したがまだ発熱などの症状が出ていないため、感染に気付いていない人が「念のため」他者と会話をする前にヨード入りうがい薬を使用すると感染拡大を予防できる可能性があるということですね。

口腔ケアが肺炎等の重症化を予防する

口腔ケアの専門家は口の中の清潔を保つことが新型コロナウイルスの重症化を防ぐことにつながると呼びかけています。

しっかり歯が磨けていない、むし歯や歯周病が治っていない、といった状態を続けてしまい、口の中の衛生状態が悪化すると、口腔内の細菌の数が増えてしまいます。そうすると免疫力が低下したり、細菌による炎症を併発する結果ウイルス性肺炎が重症化する傾向があります。すでに喘息や肺炎にかかっている人は症状がさらに悪化しやすくなります。 新型コロナウイルスは、口の中に入ると、レセプターと呼ばれる鍵穴のようなところにまるでカギが入るようにくっついて、感染していきます。このレセプター(ACE2)は舌の粘膜の上に豊富にあり、そのため経口感染には特に気を付けなくてはなりません。

マスク、手洗い、フィジカルディスタンスで感染予防に努めるのはもちろんのこと、マスクをしていて人前で歯を出す機会が減りましたが、歯磨きなどの口腔ケアが新型コロナウイルスの重症化を予防しますので怠らないようにしていきましょう。

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